驕れるものも久しからず
アメリカの広告は身も蓋もないストレートな内容をユーモアでうまく包んで表現していておもしろい。業界1位ではなく、2番手以降の会社の広告に特におもしろいのが多い。これはアメリカでの宅配便3番手、DHLのNewsWeek誌での広告。
ローマ帝国。大英帝国。FedEx帝国。
驕れるものも久しからず
業界首位のFedExを大きく持ち上げておいて、現在の自社がかなわないことを認めた上で「な〜に、FedExだってそのうち落ちぶれるさ。それが歴史の必然だもん」と茶化している。この広告の末尾にはWE MOVE THE WORLDと来たモンだ。
テレビCMもおもしろくて、FedExとUPSの配達員が先を争って荷物を集配していると、そこにさっさと仕事を片づけたDHLの配達員がゆうゆうと帰って行くというのやFedExとUPSの配達車が遮断機の下りた踏切を挟んで睨み合っていると、そこにDHLの黄色い配達車を満載した貨物列車がすごいスピードで通過するというもの、それからFedExの社員が休暇を取ってバカンスに行くと行った先々でDHLの黄色いマークが目に付くのが嫌で、ここなら大丈夫とばかりにパラセールで海の上を飛んで安心していると、眼下にDHLの黄色いコンテナを積んだ大きな貨物船が通ってガックリしてしまうというもの等々。ことあるごとに競合他社を虚仮にする広告なんだけど、コミカルな味付けであまり嫌みは感じない。こういう広告がカラッとしていて湿度を感じさせないのは、いかにもアメリカらしい。とは言っても競合他社にしてみれば、穏やかじゃないとは思うのだけど。でも、このCMシリーズ、長く続いているところをみると、金持ち喧嘩せずというか、大手の余裕というか、FedExからのクレームはないのかな。
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