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2015.02.16

母からの電話

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間違いなのか悪戯なのか明け方に電話の呼び出し音が1回だけ鳴るのを寝床で聞いた。呼び出し音に起こされたというより、半覚醒だったから呼び出し音が聞こえたのだと思う。
音が途切れた後、晩年の母が深夜2時だとか3時によく電話をしてきたことを思い返していた。宵っ張りの私は多くの場合まだ起きており、「あぁまたか」と思いつつ受話器を取った。母はいつも「まだ起きとったとね」という非難めいた枕詞から始め、一方的に喋るだけ喋って満足すると「早く寝なさいよ」というお節介な結び言葉で電話を切った。急ぎでもない内容を深夜に聞かされるのは面倒と言えば面倒だったが、家に帰らない息子の義務だと思っておとなしく聞いていたものだった。
来月で母が逝って9年。年月の流れは速い。もし今朝の電話を切れる前に取ることができていたら、もしかして、まだ起きていたのかという言葉から始まったのだろうか。

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