Cyanotype(サイアノタイプ)
Cyanotype(サイアノタイプ)は1842年に発明された写真の古典技法のひとつ。銀を使わないプロセスである。古典技法の中では、一番、ハードルが低いかもしれない。
独特の藍色が特徴。ある年代より上には青写真と言えば、ピンと来るかも。先日、職場に出入りしている20代の営業のにいちゃんが青写真や日光写真を知らなかったのには軽くショックを受けた。
【感光紙作製】
ネットで検索すると試薬の処方には多少のバリエーションがあるが、まずは1番単純な処方を試してみた。
・8% ヘキサシアノ鉄 (III) 酸カリウム溶液
・20% クエン酸アンモニウム鉄 (III)(緑色)溶液
*試薬を溶かす水は精製水を使った方がよい。
暗所にて等量の上記2つの液を容器に入れて、よく混ぜる。
*最終濃度は上記濃度の半分になる。液を混和した後は光、特に蛍光灯は避ける。白熱灯はある程度大丈夫。
暗所にて液をブラシで紙に塗って乾燥させる。
*今回はスケッチブックの画用紙を使った。液を塗った部位は薄い黄緑色。
感光紙を暗袋(黒いビニール袋)に入れて保存する。
【ネガ作製】
スキャナーでパソコンに取り込んだモノクロネガ像を反転させ、ポジ像にしてPhotoShopなどの写真編集ソフトでコントラストを上げる。再度、反転し、適当な大きさにリサイズしてOHPシートに出力する。
【焼き付け・現像】
ネガと感光紙を密着させて、ネガの側から光(紫外線)を当てる。
感光紙の光が当たった部分が充分青くなっているのを確認する。
感光紙を取り出して水で未反応の薬剤を洗い流す。
乾燥させてできあがり。
試薬溶液は10mlもあればハガキ大の感光紙を20枚以上作れる。試薬濃度はもう少し低くていいのかも。試薬濃度と感度の間には相関があるのかな?
焼き付けは職場にある紫外線灯では10分で充分。もっと短くても大丈夫そう。直射日光であれば3分が目安。
紙の種類やネガのコントラストと濃度には研究の余地あり。この辺は凝り始めると泥沼が待っていそう。
クエン酸ってのは外来語かと思ったら漢字では枸櫞酸って書くんだって。確かに英語ではcitric acidだもんな。で、枸櫞とはレモン果実のこと。
水に触れた瞬間に感光紙が濁った青からさっと鮮やかな藍色になるのは感動もの。
【追 記】
2010年9月5日(日)に信濃町のギャラリーMarche Jouetsでサイアノタイプ (cyanotype) の入門ワークショップを開催します。このワークショップでは、感光紙作製と焼き付け(プリント)を体験することができます。詳細はMarche Jouetsのサイトをご覧下さい。
| 固定リンク
「Cyanotype」カテゴリの記事
- 写真展「Jing の桜」終了(2013.03.28)
- 夜桜(2012.05.10)
- 紺青の夜空に桜(2012.04.27)
- 公募写真展「ことしのさくら」に参加します(2012.04.25)
- 写真展「私の青空 2011」終了しました(2011.03.01)
「写真・カメラ」カテゴリの記事
- Five years(2016.04.12)
- 写真展 a tempo 終了しました(2016.03.28)
- 写真展 a tempo 始まります(2016.03.22)
- 銀塩モノクロ写真展 a tempo(2016.03.08)
- 写真展 第4回 暗室からコンニチハ (2015.06.20)
コメント