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2008.05.17

猫に未来はないのか?

Fh021s
Leica R8/Summicron-R 50mm f2.8/ILFORD XP2 super

「ねこに未来はない」という文庫本を中学生の頃、同級生の尚ちゃんが貸してくれたことをふとした切っ掛けで思い出した。僕が猫好きになったのは、その本と尚ちゃんの影響が大きい。

どういう訳か僕の町内の同学年は野郎ばかりで、尚ちゃんは僕の数少ない女子の幼馴染みだった。田舎のガキだった僕には、時々彼女が見せるずっと遠くを見ているような眼差しが眩しかった。唇の端にある大人びたほくろにドキドキした。僕たちが生まれ育った田舎町では珍しく、彼女は有名な東京の大学に行って有名な東京の会社に就職した。そして若くして過労死した。その頃、僕は地方大学の大学院生だったが、当時、目黒駅そばにあった某研究所に短期出向していた。しかし、結局、僕たちの線はクロスすることはなかった。彼女の死を知ったのは、出向から戻った後だった。僕が東京にいると知り、会いたがっていたのだと母から聞いた。あれからもう20年が経つ。僕は紆余曲折を経て再び首都圏に戻ってきた。過ぎてしまった時間を思うと目が眩みそうだ。もしもあの時、東京で僕たちの線が重なることがあったら、また違った今があったのかも知れない。

「ねこに未来はない」というのは、猫の前頭葉は発達していないので、未来を認識できないという話だったと記憶する。科学的な内容の本ではないので、この仮定の真偽の程は定かではない。でも、未来の存在を認識しているはずの人間だって、次の瞬間どうなっているかわからないし、実際の所、あんまり猫と変わらないんじゃないかと僕は思う。

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コメント

たとえバラ色の未来ではなくとも、僕は未来を信じて生きていきたい。

人の生き死には人智を越えています。だからこそ、人に会う時は一期一会の精神で臨みたいものだと常々思っています。

投稿: iseita | 2008.05.18 01:16

未来のことを考えると、明るいことばかりではないですよね。。。

未来のことを考える力がなければ、不安も少ないのかな?


私も近所の同級生が若くして亡くなりました。異性だから、大学進学して住む場所が違い、連絡をとることもないまま、彼の死を知りました。
もっと逢って話がしたかった、と何度も思います。

投稿: コロリン | 2008.05.17 18:19

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