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2007.12.01

世界エイズデー

Hinoyamas
Rolleiflex 3.5F/Planar 75mm f3.5/ILFORD XP2 super

本業ではエイズ治療に関係した研究をしているので、エイズに関係した話を。

新しい薬剤の開発と治療法の進歩により、エイズウイルスに感染しても、ウイルスの増殖を抑制しエイズを発症させないようにできるようにはなった。しかし、これをもって人類がエイズを克服したと考えるのは、大きな間違いである。

エイズ発症抑制のためには年間200〜300万円の薬代が必要である。そして、定められた用法に従って、決められた時間に一回も欠かすことなく飲み続ける必要がある。これがいかに困難なことか想像できるだろうか。中には服薬の困難さに力尽きて治療を諦めてしまう患者もいる。また、人によって酷い副作用のため、服薬の中断を余儀なくされる場合もある。しかも、頑張って薬を飲み続けたとしても、現在の治療技術では身体の中からエイズウイルスを完全に駆逐することは不可能なのだ。適正な服薬によって検出限界以下まで抑え込まれたウイルスが、どのように組織の中に潜伏し続けるかについては判明していない。

エイズはいったん発症してしまうと、今のところ有効な治療法はない。
エイズウイルスはリンパ球に感染し、10年程の期間を掛けて、最初は徐々に後では急速に免疫系を破壊する。生体を外来の異物から守る機構である免疫系が破壊されると、環境中にありふれた、本来ならほとんど無害の微生物の感染によって命をおびやかされるようになる。

病状の悲惨さと治療の困難さに比べるとその予防は呆気ないほど簡単だ。
Safe Sex、これに尽きる。パートナーにエイズウイルス感染の可能性がほんの少しでもあればコンドームを使うこと。しかし、この簡単なことを簡単にできないのが人間というもので、そこがエイズウイルスの付け入る隙なのかもしれない。

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コメント

あり。さん、コメントありがとうございます。

いわゆる先進国の中で日本はHIV感染者数が増えている数少ない国なのです。 この病気に関する正しい知識をもっともっと世の中に広めていく必要があります。

投稿: 伊勢板 | 2007.12.01 21:36

 大変、興味深く拝読させていただきました。

 年間に必要とする薬代の余りの高さに驚いてしまいます。日本では1日に4人がHIVに感染しているという統計を見ましたが、HIVに関する理解力の低さをこんなにも如実に表した数字はないと思いました。
 HIVに関する周りの理解の足りなさや、抑制にかかる治療代などを考えても自分で出来る限りの予防は必要なことだと改めて実感しました。そのためにもきちんと理解しなくてはいけませんね。性交渉といいうのは、ある意味、人間の日常生活では切り離せないことだと思うので…。

投稿: あり。 | 2007.12.01 18:57

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12月1日は「世界エイズデー(WORLD AIDS DAY)」。世界保健機関(WHO)が、エイズ問題に対する人々の意識を高めることを目的に1988(昭和63)年に制定したのが始まり。 シンボルは「レッドリボン」 。 累計数(2006年末現在) ●エイズ患者 4,131人 ●HIV感染者 8,57..... [続きを読む]

受信: 2007.12.01 19:07

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